肝臓がんは手術後の再発率が高く、術後、5年後の再発率は、75%~80%になります。
したがって、治療成績をさらに向上させるためには、この術後再発をいかに抑えるかにかかっています。

肝臓がん(肝細胞がん)を全て摘出した患者に対し、活性化自己リンパ球療法(免疫療法)が、再発率を低下させるか否かを検証しました。

1992年から1995年にかけて、無作為比較試験により、活性化自己リンパ球療法による肝臓がんの再発防止効果を検討しました。肝臓がんを手術によりすべて摘出した患者150人について、活性化自己リンパ球療法を行なったグループ(76名)、行わなかったグループ(74名)にわけ、肝臓がん切除後、活性化自己リンパ球が再発率を低下させるかどうかを検証しました。活性化自己リンパ球療法は手術後、2週、3週、4週、3ヶ月、6ヶ月目に計5回行いました。

3年目の未治療グループの肝臓がんの再発率は48%に対して、活性化自己リンパ球治療グループの肝臓がんの再発率は33%でした。

観察期間の6.7年目の時点において、活性化自己リンパ球療法を行わなかったグループの肝臓がんの再発率は77%であるのに対して、活性化自己リンパ球療法を行なったグループの肝臓がんの再発率は59%でした。この結果より、活性化自己リンパ球療法を行なったグループの肝臓がん再発率は18%減少しました。

この臨床試験により、活性化自己リンパ球療法による、肝臓がん(肝細胞がん)の再発予防、再発防止効果が科学的に証明されました。また、この臨床結果が英医学雑誌ランセットに掲載されました。

ランセットの掲載内容はこちら

本内容は、株式会社GCリンフォテック取締役会長 関根暉彬博士発表のLANCET,(356, 802-807 Takayama , et al)から抜粋いたしました。

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