活性化自己リンパ球療法 – 論文集 -
1.肝臓癌(再発予防等)に関する報告
2.肝臓癌以外の腫瘍に関する報告
3.メカニズムに関する報告
4.癌以外への応用(感染症)に関する報告
活性化自己リンパ球が術後肝臓癌の再発予防に対して有効であることが、世界的な医学雑誌であるLANCETに掲載されました。癌の再発予防に対する有効性を統計学的に明らかにしたのは、世界初であり、世界的に見ても非常に意義の大きいことです。
文献番号1-6
発表雑誌;Biotherapy,16,61-64(2002).
<題目> ・エビデンスに基づいたバイオセラピィの有用性・活性化リンパ球
<研究者> 高山 忠利1)、関根 暉彬2)
1)日本大学医学部第三外科、2)(株)リンフォテック
<要旨> 養子免疫療法(adoptive ommunotherapy)により肝癌術後再発を抑止できるか否かを無作為比較試験を用いて検証した。肝癌治癒切除150例をリンパ球投与群(免疫群 76例)と非投与群(対照群74例)に割り付けた。免疫群には術後5回の自己活性化Tリンパ球の投与を行い、対照群は無治療のまま経過観察した。観察期間 中央値4.4年の時点で、免疫群の対照群に対する再発相対リスクは0.59(95%CI 0.40~0.88, p=0.01)であり、本療法により再発のリスクが41%低下した。無再発生存は免疫群が対照群に比べ有意に良好であり(p=0.008)、肝癌特定生存 も免疫群が対照群に比べて有意に良好であった(p=0.04)。養子免疫療法により肝癌の術後再発を抑制できる事実を無作為化比較試験を用いて証明した。

文献番号1-5
発表雑誌;LANCET, 356, 802-807(2000).
<題目> Adoptive immunotherapy to lower postsurgical recurrence rates of hepatocellular carcinoma: a randomised traial
<研究者> Tadatoshi Takayama, Teruaki Sekine, Masatoshi Makuuchi, Susumu Yamasaki, Tomoo Kosuge, Junji Yamamoto, Kazuaki Shimada, Michiie Sakamoto, Setsuo Hirohashi, Yasuo Ohashi, Tadao Kakizoe
Summary
Background Postsurgical recurrence of hepatocellular carcinoma (HCC) is frequent and fatal. Adoptive immunotherapy is active against HCC. We assessed whether postoperative immunotherapy could lower the frequency of reccurence.Method Between 1992 and 1995, we did a randomised traial in which 150 patients who had undergone curative resection for HCC were assigned adoptive immunotherapy(n=76) or no adjuvant treatment(n=74). Autologous lymphocytes activated vitro with recombinant interleukin-2 and antibody to CD3 were infused five times during the first 6 months. Primary endpoints were time to first recurrence and recurrence-free survival and analyses were by intention to treat.Finding 76 patients received 370(97%) of 380 scheduled lymphocyte infusion (mean cell number per patient 7.1×1010[SD 2.1]; CD3 and HLA-DR cells 78%[16]), and none had grade 3 or 4 adverse events. After a median follow-up of 4.4 years (range 0.2-6.7), adoptive immunotherapy decreased the frequency of recurrence by 18% compared with controls(45%[59] vs 57%[77]) and reduced the risk of recurrence in the immunotherapy group was significantly longer than that in the control group (48%[37-59] vs 33%[22-43] at 3 years, 38%[22-54] vs 22%[11-34] at 5 years; p=0.008). The immunotherapy group had significantly longer recurrence-free survival(p=0.01) and disease-specific survival(p=0.04) than the control group. Overall survival did not differ significantly between groups(p=0.09).Interpretation Adoptive immunotherapy is a safe, feasible treatment that can lower recurrence and improve recurrence-free outcomes after surgery of HCC.
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文献番号1-4
発表雑誌;Hepatology,28(5),1436-1437(1998).
<題目> Adjuvant Adoptive Immunotherapy Against Hepatocellular Carcinoma Tadatoshi Takayama, Teruaki Sekine, Yasushi Kondo, Tadao Kakizoe(Depatments of Surgery and Experimental Medicine National Cancer Center) Masatoshi Makuuchi(Second Department of Surgery University of Tokyo)
文献番号1-3
発表雑誌;化学療法の領域, 15,65-69(1999).
<題目> 慢性C型肝炎および肝癌の活性化自己リンパ球投与治療
<研究者> 関根 暉彬1)、高山 忠利2)
1)国立がんセンター研究所、2)東京大学医学部第二外科助教授
<要旨> ■肝細胞癌治癒切除後に活性化自己リンパ球を投与することによって、術後3年以内の残肝再発を有 意に抑制できることが、無作為比較対照試験によって確認できた。これに切除後に残存したであろう癌細胞を、活性化自己リンパ球が効率良く殺したからであ る。また、継続的に活性化自己リンパ球を投与した症例では、血小板の増加、GPTの正常化とともに再発が見られないことから、異時性、多中心性再発の抑制 も可能であることが示唆された。

文献番号1-2
第56回日本癌学会総会(1997年)発表
<題目> 養子免疫療法による肝癌術後再発抑制の試みⅡ
<演者> 関根 暉彬1)、高山 忠利2)、山崎 晋3)、小菅 智男3)、島田 和明3)、山本 順司3)、垣添 忠生3)
1)国立がんセンター研究所、2)東京大学医学部第二外科、3)国立がんセンター病院
<目的> 肝細胞癌の術後再発を養子免疫療法で抑制出来るか無作為化比較試験により検討する。
<方法> 肝癌治癒切除症例を無作為にリンパ球投与群と非投与群に割り付け、両群には術後5回のまま経過観察した。
<結果> 肝癌216切除例のうちの適格例142症例(1992-5~1995-8)を無作為にリンパ球投 与群(n=71)と非投与対照群(n=71)に割り付けた。投与リンパ球数の平均は7.4×1010個であった。副作用は40例(56%例)に認められ、 内38例は発熱(38度以上)であった。1年目の再発は(投与群/対照群p値)12/29 p=& lt;0.01、p=<0.05、2年目 22/39 p=<0.05、3年目 33/46 p=>0.05であった。リンパ球投与群 の再発は非投与群に比べ術後3年目以前で有意に低かった。死亡例は(投与群/対照群)1年3/4、2年5/11、3年6/14(有意差は無い)であった。 背景因子は両群間に有意差は検出されなかった。
<結語> 養子免疫療法により肝癌術後再発を抑制出来ることが示唆された。

文献番号1-1
発表雑誌;HUMAN CELL,7,121-123(1994).
<題目> 活性化自己リンパ球投与によるがんの再発防止の可能性
<研究者> 関根 暉彬1)、高山 忠利2)、許斐 康司1)、垣添 忠生2)
1)国立がんセンター研究所、2)国立がんセンター病院
<要旨> 固層化CD3抗体とIL-2により活性化し、増殖させたTリンパ球(CD3-AT)は自己腫瘍細 胞に対して強いキラー活性を示す。このCD3-ATを、肝細胞癌患者の治癒切除例へ投与し、再発防止を目的とする無作為比較対照試験を開始した。その2年 目の中間解析結果は、投与群49例中再発例は13例、死亡例1例に対し、対照群52例中再発例は22例、死亡例6例であった。無再発生存率は6ヶ月から 17ヶ月の間に有意差が認められた。投与に伴う副作用は28例にみられ、発熱25、頭痛3、嘔気3例であった。活性化自己リンパ球を投与することで肝細胞 がんの術後再発予防の可能性が強く示唆された。