23歳、女性

1991年5月に右下腹部に腫瘤を感知し増大して来たために、同年11月に後腹膜腫瘍(軟部肉腫)、肺転移と診断にされ、原発腫瘍摘出術を行いました。手術後、転移性肺腫瘍に対して化学療法を施行しましたが、効果はなく、経過観察となりました。

1994年6月転移性肺腫瘍が進行してきたため活性化自己リンパ球療法(免疫療法)による肺転移の治療を開始しました。活性化自己リンパ球療法による肺転移の治療は月に2回から3回実施しました。

徐々に転移性肺腫瘍の増大、腫瘍数の増加がありましたが、活性化自己リンパ球療法により、小転移腫瘍の消失も認められました。3年6ヶ月の活性化自己リンパ球療法による肺転移の軟部肉腫治療中、本疾患による症状も無く副作用も認められませんでした。(図1)。

胞巣状軟部肉腫肺転移症例臨床経過

転移性肺腫瘍の増大が認められましたが、高いQOLで、活性化自己リンパ球による副作用もなく、転移性肺腫瘍発症患者の平均生存より長い延命効果が認められました。このように増殖の遅い難治性腫瘍に対して延命効果が期待できると考えられます。

Biotherapy (12(5),685,1998 Katou, et al)から抜粋致しました。

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