活性化リンパ球治療法

1980年代にインターロイキン2により活性化したリンパ球(NK細胞)による癌の治療がローゼンバーグらにより行われました。本治療はLAK療法と呼ばれ大きな期待を集めましたが、強い副作用の割に効果が低くかったことからLAK療法は効果が低いという認識が広まりました。その後、高い特異性を持たせたリンパ球(TIL、CTL、DC療法と呼ばれます)や大量(1,000倍程度)に活性化リンパ球(活性化自己リンパ球療法と呼ばれます)を調製する技術が開発されてきました。現在でもより高い特異性を持たせるためにデンドリティック細胞などを使用する研究が盛んに行われており、癌を退縮させるという非常に高い効果が認められています。しかしながら、1)高い特異性を有したリンパ球を必ずしも誘導できるとは限らないこと、2)アフェレーシスなどを必要とする場合があること(患者さんの肉体的負担が大きい)、3)治療回数が限定されるなどの乗り越えなければいけない課題があります。今後、更なる技術改良と大規模な臨床検討により客観的(統計学的)に有効性が明らかにされるのが待たれています。
これに対して、活性化自己リンパ球療法は、癌を退縮させる効果は低いために効果が低いと考えられることが多いのですが、QOLの改善効果や肝臓癌においては術後の再発予防効果が客観的(統計学的)に証明されています。ほとんどの患者さんの末梢血から比較的容易に活性化自己リンパ球が調製できることから、既に大学病院や専門クリニックにおいて臨床上使用されています。また、癌の治療だけでなくウイルス感染症などへの応用が期待されています。

戻る
TOPへ


copyright(c)
Lymphotec