造血幹細胞移植の説明
現在、骨髄、臍帯血、末梢血由来の造血幹細胞が移植に使用されています。また、本造血幹細胞は、CD34陽性細胞(細胞の表面のマーカー)として研究が行われており、本CD34陽性細胞を大量にフラスコ内で増やす試みも行われています。移植後に造血幹細胞が、移植された人の体の中で赤血球や白血球といった血液系の細胞を作り出して行きます。本移植は、白血病の治療に使用されますが、本移植だけでは、白血病が治らず白血病が再発することがあります。このような場合に、造血幹細胞を供給してくれた人のリンパ球を大量に投与し、白血病を治す治療が行われています。本治療は、DLIあるいはDLTと呼ばれ、既に保険適応されています。しかしながら、DLIは、1)GVHDと呼ばれる強い副作用が起こる可能性が高く、2)造血幹細胞の提供者から大量にリンパ球を調製することが困難な場合があること、3)臍帯血を使用した場合には、DLIができないといった問題を有していました。そのため、現在、これらの問題をクリアーするために研究が行われています。現在、造血幹細胞移植やDLIは、主に白血病の治療で行われています。ミニ移植などの技術進歩に伴って、腎癌や脳腫瘍といった固形癌にも使用が開始され、新しい治療法の一つとして注目を集めています。
戻る
TOPへ
copyright(c)
Lymphotec