活性化自己リンパ球の効果が世界で初めて証明されました

活性化自己リンパ球を投与する臨床試験を実施

活性化自己リンパ球の開発者である関根暉彬博士(株式会社GCリンフォテック取締役会長)は国立がんセンター時代、40例のがん患者に対し、活性化自己リンパ球を投与する臨床試験を実施しました。

  • この試験により、活性化自己リンパ球は、
  • (1)副作用がほとんどない事
  • (2)「がん性腹水」の軽快傾向が見られた事
  • (3)全身の衰弱で身を起こす事もできなかった患者が生きる意欲と元気を取り戻し、一時退院できるまでになった例がある事
  • など、生活の質(QOL)の改善に寄与することが確認されました。

活性化自己リンパ球投与により、がん患者に上記のような改善傾向が見られたため、更なる効果を期待して、肝臓がんで外科手術により完全にがん組織を摘出できた患者を対象に活性化自己リンパ球を投与し、特に「再発予防効果」を検証する臨床試験を行いました。

肝臓がんはがん組織を完全に切除しきれても、5年目には80%もの高い確率で再発することが知られています。これは、肉眼では見えないがん細胞が外科手術で切除しきれなかったことにより、数年をかけ徐々に大きくなるためであると考えられます。関根は、活性化自己リンパ球が、手術後に残る見えないがん細胞の増殖を抑え、がんの再発率を下げることができれば、肝臓がん患者にとって大きな希望になると考えました。

再発予防を目的とした活性化自己リンパ球療法の臨床試験

手術後肝臓がんに対する、再発予防を目的とした活性化自己リンパ球療法の臨床試験は「ランダマイズド・スタディ」という効果の有無を厳密に証明できる方法で行われました。

この試験は参加する患者を二つのグループに分け、一方のグループには活性化自己リンパ球療法を施し、もう一方のグループには害はないが効果もない偽薬を投与し、一定期間様子をみます。その上で、療法を施したグループにおいて、がんの再発率が低下していれば、活性化自己リンパ球には、がんの再発予防に効果があると判断されます。臨床試験は1992年に始まり、治療を行ったグループと治療を行わなかったグループ合わせて1995年8月に150例目の治療を終了しました。

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治療を終えてからは経過観察に移り、1999年まで経過観察したところで最終論文にまとめられました。

結果は「効果あり」でした

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活性化自己リンパ球投与を半年間で5回受けた患者76人は、5年後にがんが
再発しなかった割合(無再発率)が41%であるのに対して、投与を受けなかった
患者74人は、5年後の再発しなかった割合(無再発率)は23%でした。

この後者の23%という数字は、肝臓がん治癒切除後の5年生存率がおよそ2割であるという従来の知見と合致します。活性化自己リンパ球療法は、5年目における手術後肝臓がんの無再発率を、23%から41%へ、18%も引き上げました。また肝臓がんは、術後2年半以内での早期再発が多く、平均再発期間は手術後1.6年ですが、活性化自己リンパ球投与患者の平均再発期間は2.8年と1.2年長くなりま した。

この内容の最終論文が2000年に世界で最も権威ある医学雑誌(英国)のひとつ、「ランセット」に掲載されました。

ここで初めて活性化自己リンパ球が世界の医学会において、確かな証拠のある治療法として認知されました。