BAMBANKERバンバンカー®
バンバンカーとは
バンバンカーシリーズは、血清不含有タイプの細胞凍結保存液です。
血清含有タイプに比べ成分組成によるロット間差が少なく、安定して品質を維持することができます。
また、「生体由来の未知成分や感染物質が細胞に影響するリスク」が極めて低く、血清ゼロ馴化された細胞の凍結を行うことができ、再馴化の手間が省け、研究作業効率の向上にお役に立ちます。
多くの研究者、ユーザーから血清含有の細胞凍結保存液よりも解凍後の細胞生存率が高いというご評価も頂いております。
当社が提供する細胞凍結保存液はGMPに準拠した設備で製造しております。無菌検査性ついてはエンドトキシン試験、マイコプラズマ否定試験、真菌 ・ 細菌試験を実施しており、安全な製品を提供しています。また、弊社では2015年6月に特定細胞加工物製造許可も取得しております。
特に近年、ヒトES/iPS細胞を用いた再生医療への期待が高まっておりますが、ヒトES/iPS細胞の樹立・維持の際にヒト以外の動物成分を含む試薬や培地を用いることは、移植細胞の免疫拒絶の可能性や未知の病原体による感染の危険性が懸念されてます。
2013年に発売した細胞凍結保存液 バンバンカーhRMは、ヒト以外の動物成分を含んでいないため、ヒトES/iPS細胞や再生医療研究に最適な細胞凍結保存液です。
安全性の指標のひとつとなる『原薬等登録原簿(マスターファイル)』にも2015年に登録されました。
現在、日本国内においては、再生医療実現のため、様々なヒトES/iPS細胞を大量に貯蔵する「細胞バンク」の設備の設置が進められており、この様な設備にも細胞凍結保存液 バンバンカーhRMは最適です。なおバンバンカーシリーズは研究用の試薬になりますので直接人への投与は出来ません。
東京工業大学大学院生命理工学研究科 田川研究室 佐藤敦紀先生から頂いたユーザーズレポートはこちら
東京医科大学 生化学分野 森谷昇太 先生から頂いたユーザーズレポートはこちら
マウス線維芽細胞株保存効率の比較動画
バンバンカー® | 自家調製保存液 |
実験条件
- 使用細胞:マウス線維芽細胞株
- 保存細胞数:4×106 cells/ vial (各細胞は1mLの保存液に懸濁した。)
- 保存温度:-80℃, 直接保管箱に入れて冷却した。
- 保存期間:45日間・解凍方法:常法により解凍した。
自家調製保存液(10%DMSO含有FBS)は、死滅している細胞が多く認められ、増殖能の停滞も観察されるが、バンバンカー®は、解凍直後から活発な細胞増殖能が認められ、殆どの細胞が生存を確認出来た。 (詳細はページ上部のユーザーズレポートにて)
細胞凍結保存液とは
細胞凍結保存液は、凍結時に細胞内および周辺の氷結晶の成長を抑制し、細胞膜や細胞内臓構造の損傷、たんぱく質の変質・切断を防ぐ性能があり、現在、注目されている再生医療向けES/iPS細胞等の細胞を取り扱う研究において必須資材の一つである。
培養細胞を取扱う研究において、細胞の凍結保存は必須の技術である。1949年にグリセロールが凍結保存された精子を保護する効果を持つことが発見された後、凍結保護剤が見出され、細胞の凍結保存が可能になった。これにより、細胞生物学の実験結果の再現性が確認できるようになっただけでなく、生殖・細胞移入医療や家畜産業なども大きく発展した。
細胞の凍結保存の手法は、一般に緩慢凍結法と急速凍結法(ガラス化法)に大別される。
- 簡易緩慢凍結法は、グリセロールやジメチルスルホキシド (Dimethyl sulfoxide、略称DMSO)を凍結保護剤とし、1分に1℃程度で温度を下げて徐々に凍結する方法であり、多様な細胞を凍結保存できることが報告されている。緩慢に冷却することで細胞内の水分子が凍結保護剤と置換し脱水され、細胞内および細胞周辺部の氷結晶の成長が抑えられ、細胞膜・細胞内構造の損傷やタンパク質の変性・切断を防ぐ。プログラムフリーザーを使用し、厳密に温度調整することが必要とされていたが、胚の凍結保存を除き一般的な細胞では、プログラムフリーザーを使用せずに、発砲スチロールの箱や市販の細胞凍結ボックスを用いて緩慢に凍結する方法が研究室や細胞バンクなどで広く行なわれている。また、解凍時は37℃のウォーターバスで急速に融解する。このような手法を簡易緩慢凍結法と呼ぶ場合もある。操作が容易であり、多くの細胞種や細胞株でこの簡易緩慢凍結法が用いられている。
- ガラス化法は1937年に報告されてから実用化までの技術開発に長い期間を要したが、1985年に高濃度の凍結保護剤を用いる方法が開発され、マウス初期胚の高効率な凍結保存が可能になったことから、緩慢凍結法に代わる方法として認知されるようになった。この凍結法はDMSO、アセトアミド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールを組み合わせて凍結保存液とし、細胞を液体窒素に直接浸漬し、急速に凍結することで細胞内外の氷結晶の生成を抑える方法である。 緩慢凍結法では困難であったウシ胚やブタ胚の凍結保存がこの凍結法で可能になったことから、胚バンクをはじめ多くの機関で用いられている。
細胞凍結保存液は再生医療向けES/iPS細胞市場の成長にともない、研究用試薬や臨床用途での需要が拡大しており、長期保存に向くものの凍結や保存、輸送コストが嵩むガラス化法からのシフト、研究効率を向上させるために研究室での自家調整から変更する動きがある。
バンバンカー Serum-free type cell freezing medium
10年以上の販売実績を誇る細胞凍結保存液『バンバンカー』は、特許取得済みの「高生細胞率保護剤」を含有している無血清タイプ細胞凍結保存液です。
長期安定性を確保しており、融解の手間や凍結融解による品質劣化がありません。
また、保存液の調整が不要で、希釈せずに使用可能です。
簡便にディープフリーザー(-80℃)で急速かつ長期間凍結保存ができ、12時間程度-80℃で凍結した後に、液体窒素保存することも可能です。
【ご使用例】
- 3T3‐L1(マウス前駆脂肪細胞株)
- A431(ヒト扁平上皮がん細胞株)
- BAEC(ウシ大動脈血管内皮細胞株)
- Balb/3T3(マウス繊維芽細胞株)
- C2C12(マウス骨格筋細胞株)
- Daudi (ヒトB細胞株)
- ECV304(ヒト臍帯静脈内皮細胞株)
- H295R(副腎皮質細胞)
- HEK293(ヒト胎児腎細胞株)
- HEK293T(ヒト胎児腎細胞株)
- HeLa (ヒト子宮頸がん細胞株)
- HeLa S3(ヒト子宮頸がん細胞株)
- HepG2 (ヒト肝臓がん細胞株)
- HFF(ヒト正常繊維芽細胞株)
- Huh7(ヒト肝がん細胞株)
- Jurkat(ヒト白血病T細胞株)
- K562 (ヒト慢性骨髄性白血病細胞株)
- KATOIII (ヒト胃癌上皮細胞株)
- KLM‐1(ヒト膵がん細胞株)
- MDCK(イヌ腎臓尿細管上皮細胞株)
- MEF (マウス胎仔線維芽細胞)
- NIH3T3(マウス胎児皮膚細胞株)
- OKT4 (マウスハイブリドーマ)
- OP9 (マウス骨髄性ストローマ細胞)
- P3U1 (マウスミエローマ細胞株)
- PANC‐1(ヒト膵がん細胞株)
- PC12 (ラット由来の副腎褐色細胞種株)
- RPE(ヒト網膜上皮細胞株)
- SNL (マウス胎仔線維芽細胞)
- TSU‐Pr1(ヒト前立腺がん細胞株)
- Vero(アフリカミドリザル腎細胞株)
- ヒトγδT細胞
- ヒト末梢血由来活性化リンパ球
- ヒト不死化筋細胞・マウス脾臓由来活性化リンパ球
- マウスES細胞株
- DT40(ニワトリB細胞由来)
- HT22(マウス海馬由来細胞)
【貯法】
冷暗所(2~10℃)
【有効期間】
製造後24ヶ月
【容量】
20ml×5本、120ml
【バンバンカー®による細胞凍結方法】
【バンバンカー®のご注意点】
- 対数増殖期の細胞を使用して下さい。
- 人体には使用できません。
- 研究用以外の目的で使用しないで下さい。
- ウシ血清由来の化合物を含みます。
- ご使用前に目的の細胞で確認試験を行って下さい。
- 当社は本製品の使用に起因する事故や損害についての責任を負いかねます。